なぜ化粧するのか?

それは、自分自身のより良い姿をお見せしたいという想いがあるのではないでしょうか。私の感覚ではお化粧してから自宅を出るのが一般的と感じますが、中には電車やバスの中でお化粧されている方もいらっしゃいます。

その方にとっては、移動中の方にどう見られようが関係ない。大切な人の前でさえ整っていれば構わないという意思が少なからず存在すると考えています。

つまり、大事な人の前では、きちんと整った自分自身の姿を見てもらいたいわけです。

 

写真が与える印象は?

その理屈からすると、応募書類に貼付する写真というのは、誰に見られるか分からないものです。移動中の化粧に置き換えるならば、自宅を出てから目的地に到着するまでの間、どこで大切な人に会うか分からないわけです。

あなたが社長秘書をしていて、移動中の電車で化粧しているところを取引先の責任者に見られたとしましょう。人によるとは思いますが、モラルが低い会社というレッテルを貼られるのに十分な理由付けになりませんか。

同じように、写真というのはあなたのより良い姿であるという前提で評価されますから、応募書類の写真の完成度がそのままあなたの評価に直結します。

 

見比べれば一目瞭然

スピード写真、写真館、アナウンサー志望御用達の写真館、個人事業主御用達の写真館など、同じ証明写真でも数百円から十数万円までの価格差があります。自分の写真を見ただけでは分からない違いも、100人並べれば一目瞭然です。値段が全てとは言いませんが、仕上がりの違いはそのまま就職意欲の評価にも直結します。

どうしても急ぎで撮影しなければならない場合もあるでしょう。そんなとき、予約無しで即日撮影してくれる写真館を知らなければ、スピード写真を選ばざるを得ません。何事もいざという場合の保険も含めて万全な情報収集をおすすめします。私のクライアントが、もし本日中に写真が必要だと言われれば1,500円ほどでCD-ROMデータに焼くところまで対応してくださる写真館を紹介しています。

私も独立する前に何度か写真を撮っていただきましたが、自宅近くにあるアナウンサー志望御用達の写真館にて証明写真を撮っていただこうと考えています。というのは、写真を撮影してから少し痩せてしまいまして、写真と本人のギャップが気になっているためです。素敵な写真になることで、今度は逆のギャップになるかもしれませんが、そこも含めて楽しみにしようと思います。

駅近くにあるカメラ屋さんでの証明写真には気をつけてください。以前は、ベテランの方が撮影していたようなお店でも、たまにアルバイトのような方が撮影するケースもあります。飛び込みで撮影するのはリスクがあることを知っておきましょう。

 

海外では写真は不要

欧米では多民族国家が多いこともあり、応募書類に写真を貼ってはいけないことになっています。性別や肌の色、国籍など、差別につながる情報はすべて排除して、実力のアピールのみで判断します。日本のように容姿でアピールできないので、必然的に文字情報でアピールしなければなりません。

日本は学歴社会と言われますが、実は欧米のほうがもっとシビアです。いずれ日本も同じようになったとき、文章力が低い学生は書類が通らず苦労することになるのでしょうね。

 

これはヒドイ証明写真

私も、20年ほど応募書類を見てきましたが、ユニークな証明写真を見てきました。一番ひどかったのは、スナップ写真をハサミで切り取った写真です。スナップ写真を切り取ったパターンは何度も見ましたが、その方はなんと「宴会で着るような浴衣の写真」でした。もちろん不合格です。

他には、「水商売?」と思うような濃い化粧や、WAXで固めた髪型の写真もありました。昼間の仕事には不向きな写真だと気づいてほしかったですね。

最後に私の失敗談を書きますと、私が最初の就職活動で使用する証明写真は私服でした。それまでアルバイト経験しかなく、何も考えずに私服(もちろんノーネクタイ)の写真を履歴書に貼付しました。そこで不採用になってくれれば良かったのに、まさかの採用となりました。そんな写真を貼ったことはすっかり忘れた半年後。新入社員研修のとき、教育係の先輩が持っていた書類に「私服姿の私の証明写真」が貼られていたのです。さすがにこれは恥ずかしかったです。私の痛い経験と引き換えに、あなたの就職活動が成功することを願っています。いまどきの就職活動では、私服の写真が貼られているだけで不採用になるとは思いますが、実は採用されたほうが恥ずかしかったというオチでございます。