内定式まで1ヶ月を切りました

今年(2017就活)は、5月頃から内々定の声が聞こえ始めました。去年(2016就活)は、就職活動時期の繰り下げがどこまで厳密に適用されるか様子を見ているうちに出遅れていたという先輩が多く、早めの就職活動につながった感はあります。3年生のときに「就カツ」の体験会に参加してくれた学生と先日お会いしたのですが、すでに内定をもらって夏休みはボランティア活動を頑張っているとのことでした。

一方で、7月に入り「これから就職活動するのですが大丈夫でしょうか」という相談も増えてきました。現在の就職活動システムでは、出遅れてしまうと相談しづらい環境に追い込まれる特徴があり、不安が伝わってきました。

以下、「無い内定」になる学生に見られる特徴を挙げていきます。ご自分に当てはまるケースがあれば修正した方が良さそうです。

「どこでもいい」という学生

就職活動とは、新たな人間関係を構築するための準備でもあります。「どこ(の企業)でもいい(から内定が欲しい)」という学生は、「誰でもいいから仲良くしてください」と言いながら就職活動をしているようなものです。ご自身のこだわりが見つけられない方は、「仕事内容(職種)」「会社の魅力(業態、業績)」「未来への通過点(自身の主体的なキャリアパス)」のどれかを軸にした共通点を明確にしてください。

社会人経験のない学生が分かりやすい順番で並べましたが、企業にとって魅力的なのは逆です。自身の主体的なキャリアパスがある学生というのは、5年後、10年後の目標を明確にして就職活動していますから、その企業に就職することのメリットも理解していることが多いです。就職活動に限った話ではありませんが、win-winの関係でなければ内定は出ません。5年後のご自分を想像するまでには時間がかかります。せめて1年後の(入社して半年経過した)自分の姿はイメージしておきましょう。

この記事では細かく触れませんが、会社の魅力は企業研究をすることで明確にできますし、自分のやりたい仕事内容は職種研究をすることで明確にできます。就職活動は衝動買いのようには決められないものです。

「◯◯だからダメ」という学生

こだわりを持っているのは良いのですが、こだわり過ぎというか意固地になっているというか、自分の決めた狭い範囲で就職しようとする学生は、自分のことを棚に上げているケースも多く危険です。ここで誤解しないでいただきたいのは、いろいろ調べた上で狭き門へのチャレンジをしている学生ではないということです。

特徴的なのは、大企業や有名企業(一括りに「大手企業」と表現されることが多いですが)へのこだわりが強い学生です。日本の新卒一括採用(ポテンシャル採用)では、より大手に就職した方がその後のキャリア形成も有利に運ぶことが多いのは事実です。そこには当然「倍率」が存在します。倍率が存在するということは、より高学歴のライバルが存在するということです。

いまや多くの人が知る「学歴フィルター」のことを考えますと、大手企業で選考を進めるためには、有名大学からの応募者が有利に働く(=そうでない場合は先行のテーブルにつけない可能性が高い)ことも考慮しなければなりません。厳しいようですが、学力優位の選考基準はそう簡単に変えることができませんので、「どんな企業が、自分のような人材を欲しがっているのか」を調べておく必要があるでしょう。

失敗から学べない学生

学生生活では、浪人や留年、追試になったり単位を落としたりすることは失敗として良くは見られません。しかし、企業では失敗こそが挑戦の証であり財産となります。これは、学生と社会人で一番大きく変化する価値観かもしれません。

就職活動では自身の価値観についてエピソードを添えて話します。人には話したくない、自分でも認めたくない失敗のストーリーは、その人の成長を促す機会でもあるわけです。明らかな失敗でなくとも、「もっとこうしておけば良かった」と反省できる姿勢は、未来の成長が期待できます。

私も失敗は悔しいですし、うまくいかなかったことばかり考えてしまう時はあります。ただ、どこかで思考を切り替えて、次どうするかを考えていかなければ後悔も時間の無駄にしかなりません。そして、どうするかを考えた後は、実際に行動するのみです。採用担当者は、話された内容を評価するのではなく、話された内容から本人の経験値(行動した結果)が評価されるということをお忘れなく。

これから(9月以降)就職活動をする学生へ

活動の開始時期が遅かったり、教職課程やゼミなどが忙しかったり、活動していたけれど結果がついてこなかった人だったり、この時期に就職活動をしている学生には理由があります。企業もそんなことは承知のうえで、秋採用・冬採用へと踏み切ります。器用に自分の弱点を隠すよりも、得意分野を自信を持ってアピールするほうが企業も安心して採用に踏み切れます。

シルバーウィークに入るまでに活動を開始しておけば(2016年の場合は、9/16までが目安)、内定式までに内定を頂くことは可能です。企業側も、内定式までに採用予定数を充足しておきたいという思惑もあり、この時期は結構な攻め時ではないかと私は考えています。過去の経験では、普段は採用まで2週間程度かかる企業でも、この時期は1週間程度で決まるケースを何度か見てきました。

1つ付け加えておきますと、「感謝」の気持ちはとても大切ですが、「謙遜」は自己の評価を低くしてしまうだけの場合も多く、就職活動では自信を持ってアピールできる人物の方が評価は高いことが多いです。

これからの就職活動で参考になれば幸いです。