キャリア・コンサルタントという仕事をしていると、「内定をもらえる魔法を教えてもらえる」のだと勘違いする人が結構います。
「そんな魔法があれば、誰も就職活動で苦労しませんよ」
私は笑って答えますが、小学校から塾に通い受験勉強のレールを歩いてきた学生にしてみれば、答えを教えてくれないことの方が不思議なんでしょうね。
そこで、私の20年にわたる経験から導き出された3つの付け焼刃をご紹介することにしました。もし、「明日面接試験なんだけどどうしよう」と悩んでいる方は、今からできることを3つだけ試してください。
1.自宅を出る前に、自然な笑顔を作ろう
私が、毎朝行っている習慣があります。それは、隣で寝ている妻に向かって、「おはよう。いつもありがとう」と声をかけることです。
最初のうちは、照れもあるのでしょう。「何言ってんの」という反応でしたが、1ヶ月くらい続けていると、言葉が返ってくるようになりました。
「こちらこそですよ」
この魔法の言葉のおかけで、夫婦喧嘩が3日以上続いたことは最近記憶にありません。もし、家族やパートナーと一緒に暮らしている方は、朝起きたときに「いつもありがとう」という魔法の言葉をかけてみましょう。慣れないうちは、ありがとうの押し売りみたいになるかもしれませんが継続が大切です。
だって、「ありがとう」と言われて、嫌な気分になる人はほとんどいないでしょうから。
出かける前には身支度を整えますよね。洗面所や、台所などで顔を洗います。そのとき、鏡に向かって「いつもありがとう」と、鏡に映る自分に向かって言ってみましょう。
なんか照れくさくなると思うのですが、そのときの笑顔をいつでも入れられるように練習してください。普段からあまり笑わない、への字口が板についている方もいるでしょうが、への字口の方はなかなか内定が得られません。
面接官が、表情などの第一印象で気持ちが左右することは多いです。
そして、家を出るときには、練習した笑顔で「いってきます」と明るい声で出発しましょう。今日、これから起きる出来事は、あなたにとって楽しい未来につながることですから、とても楽しみにしていたイベントに出かけるような気持で家を出てください。
- 朝起きたら「ありがとう」
- 鏡に向かって「ありがとう」
- 誰もいなくても「いってきます」
不思議と、自然な笑顔になれますよ
どうやら、先に「ありがとう」を100個言っておくと、「ありがとう」の現象がないのに、現象を一所懸命探そうとするようです。
2.移動中に、入社後の自分をイメージしよう
自宅から徒歩5分の企業に応募するという方は、あまりいらっしゃらないでしょう。多くの方は、電車かバスなどを利用して移動するのではないでしょうか。
就職活動、特に面接試験に向かうときは、この移動時間を有効に使いましょうということをお勧めしています。この段階で、今さら「企業理念」を思い出したり、「面接で良く聞かれる質問集」などをインプットしてもあまり意味がありません。
それは、付け焼刃ではなく、”すぐに剥がれてしまうメッキ”をわざわざ施すという無駄な作業です。
新卒採用に応募する方のほとんどは、入社した自分がどういう1日を過ごすのかイメージを持っていませんので、そのイメージだけを考えておきましょう。
イメージといっても、朝何時に起きて、○○線に乗って、コンビニに寄って飲み物を買って、、、というイメージではありません。(それも大事なのですが、今は時間がありませんので) 勤務時間が始まったら、どんな仕事をするのでしょうか。
果たして、自分がやることで、先輩や上司に喜ばれることはあるのでしょうか?新人ならば誰でもできること、それは「挨拶」だけだともいわれます。では、「誰にでもできることではない何か」を提供できないでしょうか。
ここは、「やらなければならない」という義務感ではなく、「ぜひやりたい」という希望として考えてください。応募した企業へ移動する時間を利用して、その会社に入りたいという想いを具体的にイメージしていただくことが目的です。
何もないというのでしたら、最後は「給料が高い」、「福利厚生が充実している」、「研修期間が長く教育してもらえる安心」などでも構いません。これは、何もないよりはマシというレベルですが、大切なのはその会社に入りたい気持ちを”言葉にできるくらい”具体的に持つことです。
私が就職支援してきた経験では、その企業に勤務するメリットが思い浮かばないような会社には応募しない方が賢明でしょう。長く続かないケースが多いのです。
- その企業で働きたいのはなぜですか
- 働くために、どんな努力ができますか
- どのくらい、その企業のことを調べましたか
大企業は人気だ。このことは、今も昔も変わらない。
3.企業の最寄り駅で、自分に自信を持たせよう
TEDで2012年に話された内容でもあるので、すでにご存じの方がいるかもしれません。面接試験の前に、いわゆる「ガッツポーズ」を2分間するだけで、面接官に自信が伝わるという説があります。
そこで、訪問先の最寄り駅に到着したら、トイレの個室に入ってください。2分間のガッツポーズであなたから自信がにじみ出るはずです。ポイントは、形だけではなく”本気で”、”全力で”、内定をもらったことをイメージしてガッツポーズすること。本当に入りたい企業であればあるほど、内定のイメージも嬉しいものになることでしょう。その嬉しさが自信となり、笑顔や雰囲気になって面接担当者に伝わります。
もし、25分ほど時間があれば、下のリンクからTEDで語られたスピーチをご覧ください。就職活動以外でも役に立つと感じた内容です。
自信のないときでも自信に溢れる「力のポーズ」を取ることで、成功できる見込みも変わる
私がこれまで支援した経験をもとに、1日でできる面接試験対策を選んでみました。もちろん時間があれば、もっとたくさんのことができますし、お給料をいただくための試験なのですから時間をかけて然るべきなのですが、あれこれ理由をつけて準備がギリギリになるという方も多いはず。
Career30.netでは、就活生の不安を軽減し、自信を持って就職活動できるための教育ツール「就カツ!」を開発いたしました。
個別のキャリアカウンセリングではあなたが気づかなかった魅力を引き出し、企業に向けてのセールスポイントを形にします。
最後に、一つだけ。
付け焼刃というと悪いイメージがあるかもしれません。「明日面接なんだけど、今更やっても無駄」と考え何も対策しないケースが圧倒的です。それでも、「今からできることがあればやろう」と考え、たとえ付け焼刃だろうと少しでも悪あがきする人の方に、少なくとも私は好感を覚えます。
ただし、付け焼刃は長持ちしませんので、次の面接までには時間をかけてくださいね。懲りずに付け焼刃を使い続ける人は、いずれ社会から必要とされなくなるでしょうから。
付け焼刃とは、その場をしのぐために、にわかに覚えた知識や技術
参照:”語源由来辞典「付け焼刃」 ”
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