まだキャリアコンサルティング技能士(2級)を目指している、じゅん です。

先週の話ですが、あるクライアントから、約束の時間に遅れると電話がありました。
そのクライアントは、約束を忘れてしまうことも多く、何度もすっぽかされた経験があるため、事前に連絡を頂けただけでも良かったと考えていました。
電話を切った直後、同僚から「もしかしたら、iPhone5sの発売日で並んでいたりしてね(笑)」と言われ、その方がiPhone愛好者であったことを思い出しました。

約束の時間から遅れること約1時間、会話のつかみとして「(遅れると電話があったけれど)今日は何かあったんですか?」と尋ねました。
『いや、ちょっと、、、』と言葉に詰まるクライアント。
「そういえば、今日はiPhone5sの発売日で、昨晩から並んでいるかたがTVに映っていましたね」と話すと、
『実は、、、私も徹夜で並んで手に入れて、遅れてしまったんです』と答えが返ってきました。

もし、iPhoneを並んで購入するのであれば、前日までに時間を変更する約束をしておけばよいだけなのですが、当日の朝(しかも約束の時間の直前)になって電話で遅れることを連絡してきたのです。

スティーブ・ジョブズがなくなられてやや陰りが見えてきたとはいえ、依然としてApple信者は多く、仕事がなくお金に困っているといいつつも、iPhoneを所有している方はかなり多いように見受けられます。これは別のクライアントの話になりますが、、、
高価な端末ではありますが、携帯電話会社(以下、キャリア)を乗り換える「MNP」制度を利用することで、実質0円で入手することもできるようなので、月々かかる費用のみで使用できるという考えなのかもしれませんが、私にとっては新製品に踊らされているような違和感を覚えます。

さて、今日のテーマは、ADHD(注意欠如・多動性障害)についてです。
実は、このクライアントは、当初から時間を守らなかったり、不連絡で来所しなかったりと、カウンセリングを進めるうえで支障がありました。
このままでは仕事に就くことはもちろん厳しいですし、企業との約束の時間に遅れたり・すっぽかしたりということをしかねません。

最初に来所されてから、半年近く経つのですが、実際に企業との約束を忘れてすっぽかしたことがあり、そのときは対応に苦慮しました。
他にも、応募書類を約束の日までに提出できないなど、約束や決められたことを守るという概念が欠けているよう行動が後を絶ちません。

そのときに、ADHDを疑ったわけですが、その時に参考にしたサイトがADHD.co..jp[日常生活での変化(大人のADHD)]です。
ここに当てはまるからADHDだと決めつけるのは危険ですが、その方の傾向を理解しどのようなサポートが必要かを把握するために役立つ項目が列挙されているように感じました。

・時間通りに外出の準備ができますか?
・忘れ物なく外出できますか?
・順序だてて仕事(課題)を片付けることができますか?
・仕事(課題)の締め切りを守れますか?
・仕事(課題)の内容は正確ですか?
・上司、同僚、得意先(教師、友人)の話を最後まで聞くことができますか?
・指示に従って作業をやり遂げることができますか?
・会議(授業中)などで落ち着いて座っていることができますか?
・待ち合わせなど、約束の時間を守れますか?

上でリンクを貼ったサイトでは、18の項目が挙げられていましたが、限られた接点だけでも半分の9項目が該当します。

では、どのようなサポートを心がけるべきなのか。
この点で私は専門家(医師、研究者)ではないので、個人の経験則という前提で書かせていただきたいのですが、
このクライアントに関して述べると、約束を守れなかったときに「すみません」の1点張りで事を収めようとします
想像するに、これまで何度も失敗やミスを責められ続けてきたのでしょう。しかし、自分で解消することができず、行き着いたのが「すみません」と謝ることで相手(多くの場合、親や先生など)の気持ちが収まるのを待つことなのではないかという仮説です。

こうなると、改善の提案をしても、本人は誤れば解決すると勘違いしており、結果的に時間の無駄遣いとなります。
過去ではなく、未来を作るキャリア・カウンセラーの仕事としては、過去の呪縛から解放するために、存在をありのまま受け入れるという受容が必要なのではないかと考えます。
一番良いのは、きちんとした専門家に診察していただくことなのですが、日本の社会での発達障害は不理解による差別を生むことがあり難しいのが現状です。

ならば、やはり時間対効果を考え、地味ではありますが、ありのままを受け入れる存在として目の前にいることが一番効果的なのかもしれません。
理想を言えば、もっと早くから子供の変化に気づいて、親が行動してほしいのですが、現在の仕事に18年間携わる中で、親が障害を認めているケースはほとんどありません
そして、小学校→中学校→高校(→大学のケースもあります)の先生たちは問題を先送りし卒業させてしまいます。問題を大きくしたくないからなのか、それとも対処することできないからなのか、本当の理由は分かりませんが、成人になっても社会性が身につかない本人が大変な想いをしているということです。

本当の意味で、個性を認め合う社会はいつ訪れるのでしょうか。

(守秘義務の観点から、多少アレンジしておりますのでご了承ください)


成25年度(後期) キャリア・コンサルティング技能検定の申し込み開始まで、
あと2日