キャリアコンサルティング技能士(2級)を目指している、じゅん です。

仕事の資料を整理していたら、昨年末に受講した「大人の発達障害」に関する研修の配布資料が出てきました。

発達障害というキーワードは、今後さらに重要になってくると考えています。
(以下、研修でメモした内容などをもとに書いています)

そもそも、発達障害という言葉は、1980年頃にアメリカ精神医学会が使い始めた言葉だそうです。
日本では、2005年以降に法整備や特別支援、特別措置が行われるようになってきました。
例えば、文部科学省では、大学入試センター試験における発達障害者への特別措置が取られるようになりました。
正確には、受験特別措置と言い、生涯区分によって様式や特別措置の内容が異なります。
これは、別室受験(一人一室とは限らない)を認めたり、試験時間の延長(1.3倍)など、医師の診断書により決定されるようですが、詳しくはセンター試験のwebサイトからご確認ください。

最近、発達障害にスポットが当てられている理由は、出現率が予想以上に高くなっていることや、高学歴者にも出現することが挙げられました。
有病率・発症率が7~13%程度だそうですから、40人の学級では3~5人は発達障害ということになります。
キャリア・コンサルタントという仕事をしていなくても、社会生活を営むうえで基本的な知識は持っておく必要がありそうですね。

講師の方も、発達障害について正しく理解している大人はとても少なく、医師でも見立てを誤ることが多いと話していました。
日本では差別的な処遇につながりやすい背景から、特に保護者が発達障害であることを認めずに本人にも自覚がないまま大人になってしまうケースも増えていて、高機能(つまり軽度の)発達障害者では、特定の分野で能力を発揮し、成績が優秀なこともあるので、性格や個性の問題だと誤解されやすく発見されないまま年齢を重ねてしまうことにつながるようです。

ここで講師の方が、分かりやすい話してくれたのですが、発達障害という言葉はよくない。
医学的な基準から見ると「発達アンバランスな状態のことを指している」のだそうです。
つまり、日本人的な考えでは、平均的な能力に届かない部分にスポットを当てて「障害」という言葉を使うが、医学的には「平均的にまとまっているのではなく、平均よりも大きい分野があり(目立っており)、平均よりも未熟な分野があり(目立っている)」という捉え方になるそうです。

発達障害のポイントは、良くも悪くも能力が突出しているわけですから、キャリア・コンサルタントとしては能力が高い部分にスポットを当てて支援していきたいものです。

また、発達障害は特定の症状を表すのではなく、多動性障害(ADHD)、自閉症やアスペルガー症候群(AS)などを含む広汎性発達障害(PDD)、そして学習障害(LD)などの総称であるため、実態を把握しづらいことも誤解を招く要因となります。

私たち、キャリア・コンサルタントとしては、治療することではなく、必要に応じた適切なリファーが求められています。

キャリコン関係の方とお話をしていて、相手のことを理解したいと頑張りすぎて疲れてしまうことがある。(エネルギーを吸い取られてしまうなど)という話を耳にします。私も、駆け出しのころはどこまで関わるべきか理解が浅く、判断を誤ってしまったことは何度もあります。
経験することでしか理解できないこともありますが、事前にポイントとなる知識を取り入れておくことで、防ぐことができる問題もあるはずです。

みなさんも、お時間のあるときに、大人の発達障害について調べてみてはいかがでしょうか?

キャリア・コンサルティング技能検定 第9回 2級試験の合格発表まで、
あと19日