まだキャリアコンサルティング技能士(2級)を目指している、じゅん です。

昨日に引き続き、障がいを持つ方の支援をしている施設で研修を受けていました。

2日間の実地研修を受けて、感じたことを書きたいと思います。
これは昨日も書いたのですが、多くの障がい者は何かに困っているけれども、それを伝える手段(助けを求める方法)を知らないケースが多いということです。
例外的に、TVに出てきて四肢がなくても不自由なく生きているという方(特定の有名人だけでなく、一般人の中でもです)はいらっしゃいますが、多くの方はどこかコンプレックスを抱えて苦むケースが多いように感じます。
というのも、何度か面談を重ねるうちに、ポロリと不安を口にする場面があり、健常者と自分を比較して劣っているという錯覚に陥る姿を目にしているため、そのように感じます。

研修で訪れた施設の中では、市販のものを活用しながら、どうすれば障がい者がスムーズに行動できるのかという視点で、日々研究をしていました。

次に書く内容は、主に精神障害や発達障害の方への対応なのですが、動作が緩慢になったり指示通りの作業が行えなかったりします。
そこで、まず行うことは、本人が自覚している問題点(困りごと)の把握です。これは指導員が決めつけるのではなく、本人と面談して本人に考えてもらうようにしているそうです。

今回見学した施設では、発達障害、精神障害(気分障害)、高次脳障害の方を対象に指導しているとのことでしたが、いずれのケースにも共通していることとして、状況認知ができないという共通点があります。その原因を本人が自覚できるよう促すということから、解決に向けての第一歩が始まるのだということを感じました。

障害の状況にもよるわけですが、
・作業メモリへの記憶が行えない
・セルフモニタリングできていない
・注意力、集中力がよくない
・情報整理力、統合力が弱い

などが原因になっているというような見立てが必要だということです。

重度の知的障害などでは、どこに困っているかも把握していないケースがありますが、それでも、本人が困っていたりストレスを感じていたりする場合、どこに不安や不満を感じているのかを理解し、ピンポイントで解決方法を提示することで、障がい者の動きは格段に良くなるとのことでした。

最長1年間の入所期間(訓練期間)で、毎日自分の行動や感情を振り返り、毎週グループ単位でも振り返りを実践しています。
これは、自己理解、他者理解ともに刺激してくれるので、数か月では効果は出ないかもしれないけれど、終盤にはかなりの確率で変化がみられるというお話を伺いました。

障がい者のみを対象とする施設では、自分が障がいを抱えていることを認めている(自己理解が進んでいる)ため、向上心の強い方が多いようです。
障がいというのは、バリアフリーになっていない環境において、文字通り「障害」になるのであって、バリアフリーの環境下では「障害は起きません」。
「標準」「普通」「横並び」「前例踏襲」こんな言葉が似合う日本の文化では、個性的な性格であるのと同じような感覚で障がい者に接することが一般的ではありません。自身の障害を認めることは、すごく勇気のいることです。
一方で、普通高校や大学卒業者、中には大学院まで修了している方にも発達障害や気分障害を抱えている方は少なくなく、一定の学力を備えていると認められてしまったがゆえに自身の障害を認めることができず、自己理解の不足によるトラブルの事例をいくつか聴くことができました。
あまり丁寧に対応しすぎるとバカにしているというクレームになる可能性もあり、さじ加減はかなり微妙なわけですが、日ごろからクライアントの対応で心に留めておくべきことが具体的になる良い機会となりました。

職場に持ち帰って、今後の仕事に生かしていこうと思います。